2021年9月の見た雑記

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久しぶりの映画雑記です。ダラダラと書いていきますので、ネタバレも含まれますので気をつけてください

「セント・オブ・ウーマン」(1993年)

盲目の退役軍人アル・パチーノ主演の“ヒューマン・ドラマ”という設定ですが、かなり口が悪いのでほんわかではありませんが、高校生チャーリーに最も気高い生き方を教え、またチャーリーからも“やるべきこと”を教えられます。視力を失い生きる意味を意味見出せず偏屈になるだけの老人に名誉も勲章も与えられることのない大切なこと、それは家族を大切にすることでした。

校長の車に友達がいたずらしたのを目撃してしまったチャーリーが「誰がやったか」を言う言わないで退学になるほどか?は疑問でしたが最後まで友達を守ることが“人間の高潔さ”でした。「腕を失い、脚を吹き飛ばされた若者を見てきたが、何より悲惨なのは魂を潰された者だ。潰れた魂に義足はつけられない」は多くの戦場を見てきた軍人フランクとしての社会や学校へのメッセージだったのです。

レストランでドナに声をかけ踊る昼間のタンゴのシーンは今作の名場面で「脚がもつれても踊り続ければいい」は今のフランク、これから多く人生の困難に立ち向かうチャーリーにもピッタリの言葉です。

そして「あ、この人…」と思ったのが“友達を裏切る方の同級生”役のジョージを演じていた「ミッションインポッシブル3」の悪役や「マネーボール」に出ていたフィリップ・シーモア・ホフマンでした。なんとこれが映画デビュー作だそうです!!このころから既に「なんか嫌な役」が出来上がってます。

「ゼイ・リブ」(1988年)

社会に紛れ込んだ侵略者を見分けるサングラスをホームレスキャンプで拾ったことにより貧しい肉体労働者ネイダがエイリアンと戦うことになるSFサスペンス。銃撃戦やエイリアンもいかにもB級ですが、今もカルト的人気を誇る隠れた名作です。サングラスをかけると情報管理システムの広告は「従え」、紳士服店の看板は「考えるな」、閉店セースは「消費しろ」の文字に変換され、通行人は気味の悪い骸骨のように見えます。このサングラスは侵略者のからくりを明らかにする仕掛けがあるのでした。最後は放送局のアンテナを破壊してその正体が明かされ国中がパニックになる、結末ですがこの映画が伝えたいのは「メディアに操られるな、目を覚ませ」という警告でしょうか。今作のエイリアンを「暗躍するユダヤ人」と捉える陰謀論まで提唱する人達もいるようですが…それこそ映画に操られているのでは?

途中のサングラスを「かけろ」「いやだ」の格闘シーンは5分あります(笑)長い!主人公ネイダ役のロディ・パイパーは本職のプロレスラーだそうです。こういった本筋とは関係ないイカれた演出も人気の理由でしょう。

実はエンドロールでは“エイリアン”ではなく“グール”と表記され、死肉を食う鬼でしたっけ?色々な解釈はありますが、“宇宙からの侵略者”とは違うようです。ネイダが地下の基地に乗り込んでパーティー会場?であっさり見つかりますが、なぜか案内してくれます。お互いに人間とグールの見分けは付かないのでしょうか?抵抗する人間たちはテロ組織として弾圧しますが、それ以外の人間に危害を加えることはしないので、そんなに悪い奴らではないかもしれませんし、そもそも先に地球にいたのが人間とも限りませんので、侵略者はどっちか……ネイダ達が“グール”でサングラスをかけると骸骨にみえるのが“人間”の可能性も。

「アウトブレイク」(1995年)

海外ドラマで人気の…ではなくダスティン・ホフマンの方です。アフリカのモターバ川流域の村で高い致死率を持つ出血熱が流行し、アメリカ軍感染医学研究チームのサム・ダニエルズは調査に向かい調査を行うもアメリカでの流行の可能性は低いと警戒要請は却下されるが、アフリカからの密輸入で持ち込まれたサルがこのモターバ・ウイルスを持っていてアメリカで感染が始まる…というストーリーですが、“対ウイルス”と感染が見られる町シーダー・クリークを爆撃しようとする“対政府”という2つにサムが立ち向かいます。政府はかつてこのモターバ・ウイルスを採取しておりそれを細菌兵器として研究・保管していたのでその事実を隠蔽するためにもシーダー・クリークを爆撃しようとしていたのでした。

元妻ロビーも感染しタイムリミットが迫るなか、密輸船を海の上で見つけるとか、アメリカ中から1匹の猿を見つけるとか、猿を捕まえたらすぐ血清完成とか……しかも軍に妨害されながらとか、だいぶ無理ありますが、サムは村もロビーも救うのでした。

進行するストーリーは複雑ですので、「この猿は何だっけ?」「血清E-1101があるならみんな助かる?」など聞き逃すと「?」なので注意して見てください。途中のヘリの空中戦は要らなかったかな…

「サバイバー」(2015年)

爆破テロの濡れ衣を着せられ逃げながら真相を追うミラ・ジョヴォヴィッチ演じる外交官ケイトの奮闘を描くサスペンス。ロンドンのアメリカ大使館で出国の審査をしていると怪しいガスの専門家バランを調査のため保留すると、上司が「代わろう」と言い出し、大使に呼び出され注意を受ける。そしてケイトはバランを怪しんだことによりテロ組織に命を狙われレストランの爆破からは運よく逃れるもその犯人にされ、ピアース・ブロスナン演じる殺し屋ナッシュ、アメリカ・イギリス両政府に追われながら1人で今回の事件の黒幕に迫る……のですが色々と都合がいい(笑)指名手配なのに町を変装なく歩いて、パスポート偽造してイギリス出国してアメリカ入国、テレビのニュースで「爆破テロの標的はタイムズスクエアだ」と気付く、カウントダウン・パレードに100万人いるのにバランを見つける、そして伝説の殺し屋ナッシュの銃弾は1発も当たらない……さすがに出来すぎですが、こうでもしないとね

「ザ・サークル」(2017年)

大人気SNS「True You」を運営する大企業「サークル」に転職することに成功したメイ・ホランドは憧れの企業で働ける喜びを感じるが徐々に世界全体の情報を取得しようと動いているサークルの社風に疑問・恐怖を覚える。地元の友人マーサーが作った鹿の角のシャンデリアをアップするとマーサーは「鹿殺し」を非難を浴びてしまい、落ち込むメイは夜にカヤックで湖?に漕ぎ出すが転覆しそれをサークルの開発した小型カメラ「See Change」に見つけられ救助され、サークルの広告塔として私生活の全てを世界中に公開し「透明化」することに。それによりメイは世界中のどこの誰でも見つける「Soul Search」開発の重要なポストを任されるが発表の場で疎遠になっていたマーサーを探すことになり、カメラを持って追いかける人から逃げドローンを避けマーサーの車は橋から転落し、命を落とす。これでサークルの方針に否定的になりCEOベイリーにもカメラを付けること「指導者こそ透明化」を要求し、行き過ぎたプライバシー無視を変えようとするのでした。

SNS・情報化社会がどこまで踏み込んでいいのかを訴えかける内容ですが、サスペンスというほどハラハラするものではありません。序盤にマーサーの言う「君はSNSでしか世界を見れていない」が本作のポイントでした。実際に家族・友人と顔を突き合わせてなんでもない時間を共有することの大切さを訴えています。ただメイの透明化を楽しむ描写と最後には「自分がベイリーを退治してやった感」は対局にあり「どっちなの?」と感じました。マーサーの件で考えが変わったわけですが、「お前が正義面は違うんじゃない?」と思った方も多いのでは……

しかし…トム・ハンクスの無駄使い(笑)ラフな格好で大型スクリーンの前を歩きながら話す、いかにもジョブズ的なカリスマ経営者を見事に演じていますが、わざわざトム・ハンクスを使うほどではないかと。「True You」の開発者でありながらサークルの危険性にいち早く疑問を持ったタイを演じるのは「スター・ウォーズのフィン」ジョン・ボイエガです。

ラストシーンでカヤックに乗るメイをドローン2機がかなり低空で撮影しているのですが、結局「1人のんびりカヤックの時間などない」ということなんでしょうか?監視社会の流れは止まることはない、そんな風にとれるエンディングでした。

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