「スパイ・レジェンド」(2014年)人として生きるか、殺人者として生きるか

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相変わらず渋い第5代ジェームズ・ボンドであるピアース・ブロスナン主演のスパイアクション映画です。「サバイバー」ではミラ・ジョボビッチを狙う暗殺者でしたが、今回はかつて”November Man”と呼ばれ「あいつの通った後には冬が来る」つまり“死”が待っているということを意味し、物騒ですが良い者です。そしてこの手のスパイものには欠かせない美女は「オブリビオン」でトム・クルーズのもとに空から降ってきたオルガ・キュリレンコ、今回も物語の鍵となる役どころでした。

引退した伝説のスパイ、ピーター・デヴェローのもとに元同僚ハンリーが訪ね「かつての仲間が次々に殺されている、ロシアの次期大統領候補フェデロフがバックについたアレクサという殺し屋に、次に狙われるのはフェデロフのもとに潜り込んでいるナタリアだ、何かの名前を掴んだ」とデヴェローがかつて愛したナタリアの救出を依頼します。モスクワでナタリアと接触しますが、かつての教え子で狙撃の名手デヴィット・メイソンにナタリアを射殺されてしまいます。彼女からミラ・フィリポアという“名前”を聞き出したデヴェローは彼女のスマートフォンを回収し、狙撃した連中を次々に射殺しますが、そこにいたのは教え子デヴィットであることからCIAが今回の敵であることを察知しデヴェローはデヴィットを撃つことなくお互いに銃を下げて姿を消すのでした。

ここまでが本作のあらすじでここから物語はやや複雑で、セルビア・ベオグラードの難民センターでミラを担当したのがそこで働くアリスであり、殺し屋アレクサの標的となったアリスをデヴェローが救い共にミラを探します。その最中にかつてフェデロフが仕組んだ爆破テロにCIAも絡んでいたことを知りますが、実はそのCIA協力者はハンリーでした。そして英語とロシア語を話せるという共通点からアリスがミラであることもデヴェローは気づいていました。またデヴィットはデヴェローの娘の存在を突き止めハンリーに人質に取られミラと交換を要求しますが、真相を知ったデヴィットはハンリーを裏切りデヴェローの娘を救出します。殺し屋アレクサに追われるミラですが、こちらはスコップで殴りやっつけて自力で解決!!現役CIAを何人も暗殺しているのに…いくらなんでもこれはない(笑)デヴェローも娘もミラも無事で一件落着。ハンリーは逮捕され、フェデロフは逃げのびたように見えましたが、どこからか狙撃されるのでした(これはおそらくデヴィットの仕事)。

ストーリーも複雑で大雑把に書きましたが、「何でミラが重要なのか?」が途中までハッキリしませんでした、ハンリーとフェデロフのつながりを知っていたということ…でいいのかな?「ミッションインポッシブル」や「007」のような最新ハイテク装備は登場しませんし、アクションも最小限のストーリー重視のスパイ映画……というか刑事ドラマのような、そこまで”スパイ”ではない印象ですが、楽しめました。デヴィットを演じるのはオーストラリア出身のルーク・ブレイシー、若くエネルギッシュで元相方・デヴェローと対峙しながらも「認められたい・超えたい」を上手く表現していて本作の影のメインであり、スピンオフ的な物語も十分考えられる魅力的なキャラクターでしたが、デヴィット・メイソンという”ピンクフロイド”な名前に驚きました。

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