「イーグル・アイ」(2008年)我々は常にすべてを見ている

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中東で偵察機による監視の末テロ首謀者に似た人物を見つけたアメリカ軍、AIによる判定は51%で「攻撃すべきではない」、国防長官も従うのだが大統領の決断で爆撃は行われ多くの民間人も巻き込まれ命を落とした。

コピー店で働き家賃も滞納しているジェリー・ショーの“優秀な方”である双子の兄イーサンが事故で無くなったとの電話を受ける。葬儀の後ジェリーのポケットには見覚えのない小切手があり、ATMに入れると残高“75万ドル”の大金を手にすることに。部屋に帰り大家にまとめて家賃を渡すが、部屋には大量の荷物が届いていて、“暗視スコープ”や“硝酸アンモニウム”などそれはよくわからない薬品や銃であった。そこに電話が鳴り「30秒でFBIが突入するから逃げなさい」と知らない女の声があり、その通りジェリーは部隊によって捉えられ逮捕される。

テロ対策部門・モーガン捜査官はジェリーとイーサンがテロを計画、またはテロリストと繋がっているのでは?と疑い尋問が始まるがジェリーには何のことだかわからない。再びジェリーに女の声で電話があり「ビルから飛べ」と指令があり逃走に成功し、電車内で寝ている乗客の携帯に女の指示は続くが「誰なんだお前は!もう従わない」とジェリーは拒否するも電車内全員の携帯に「この指名手配犯を捕まえろ」と女の声で電話がありジェリーは逃げるように女の指示に従う。駅を出てポルシェの助手席に乗ると運転席のレイチェルが「サムを返して!」と激怒し、2人はお互いに謎の女に操られていることを知る。レイチェルも楽団に所属する小学生の一人息子サムを見送ったあと「従わなければ子供を殺す」と女の声で脅されていた。警察とのカーチェイスで逃げる最中もカーナビから女の声で「速度を上げろ」などその指示通りにすると信号は青になり、解体工場ではクレーンが動き明らかにパトカーの追跡を邪魔するのであった。

一方、女の声で“特定な音”に反応し僅かな大きさでC4爆弾の80倍の威力を持つ無臭で検知不能結晶を宝石店、起爆装置を楽器屋に送りそれぞれ加工させる。ジェリーとレイチェルは指示された目的地に歩いていると後ろから1台の車が近づき降りてきた男は何やら怒っている「女の指示通り荷物は届けた、次はあんた達を乗せろだと、これが行先だ、車のキーも持ってけ!」立ち去ろうとする男は切れた電線が当たり感電死してしまう。電話の女の声で「命令に背いたからよ、車に乗って

次の指示は警備会社の職員が持っているブリーフケースを奪うこと、2人は銃で脅しケースを強奪し、ツアーバスの添乗員の声を掛けられバスに乗り込むのであった。電気店のホームシアター売り場でジェリーの子供のころからのあらゆる記録が流され「我々はアメリカ国民全てを監視している」2人はコンピューターにより操られていると気付くのであった。女の声の正体は国防総省の地下36階“イーグル・アイ”にある巨大人口知能・アリア、世界のあらゆる危機に対応するようプログラムされており、アリアの存在は公表されておらず、ここからアメリカ中のネットワークを駆使して街中の電子機器から2人に指示を出していた。イーサンはここでアリアの指示を受け国家のため働いていたのだった。

ジェリーとレイチェルは空港で男から搭乗券を渡され、荷物検査でもブリーフケースの中身の映像がすり替えられゲートを通過するがモーガンに見つかり逃亡、荷物収集センターでまたもアリアの助けにより機器が作動し、貨物機に乗り込む。ケースのカウントダウンが止まり中には血圧を下げ必要酸素量を下げてくれる薬入りの注射器があり気圧の低い貨物機で2人は国防総省まで行くのであった。

空軍のペレス捜査官はイーサンの身に何が起こったのかをイーグル・アイ内で調査していると不自然に歩き回るイーサンの映像があり、カメラの死角のなる消火器の持ち手部分にSDカードを見つける。「アリア、止めるんだ!中止だ!」そこに映っているイーサンとアリアが言い争っている映像を国防総省に見せ問い詰めると、中東のテロリストをアリアの指示を無視し爆撃したことにより、報復として多くのアメリカ国民が仕返しのテロの標的になると判断したアリアは大統領を含めた国家上層部を「アメリカの安全を脅かす存在」と認識し抹殺する“ギロチン計画”を開始しようとした、それを食い止めようと“声認証”により緊急停止したイーサンもまた国家にとって危険な存在として交通事故に見せかけアリアに殺されたのだった。

双子の弟・ジェリーを国防総省まで来させたのはこの音声認証を解除するためであり、それを知らないジェリーは言われた通りロックを解除しギロチン計画は再始動、ここでレイチェルは「ジェリーを撃って殺しなさい、サムがどうなってもいいの?」と用が済んだ、そして再び緊急停止をかけることができるジェリーを殺すようアリアの指示を受けるが、撃つことはできなかった。モーガンがあらわれジェリーは捉えられ、レイチェルはアリアに誘導されどこかへ消えた。

モーガンはジェリーから今回のアリアの暴走と大統領抹殺計画を聞き、2人で議会へ急ぐ。アリアは偵察機を動かし2人の車に攻撃を仕掛けるが、モーガンの捨て身の突進により食い止めジェリーは受け取ったFBIバッチと銃を手に1人で議会へ向かう。レイチェルもドレスに着替えさせられ“あの宝石”が付いたネックレスを付けて大統領演説へ向かう。ペレス捜査官はアリアを停止させようと試み抵抗されるも本体を破壊し、イーグル・アイは暗闇に包まれる。

大統領演説後に子供楽団が入場しアメリカ国家の演奏を始める、レイチェルはサムを守ろうと駆け寄るが、この演奏にレイチェルのネックレスが反応し爆発する仕組みだったのだ。ジェリーは警備員の服装を奪い議事堂へ到着、机に上がりモーガンから渡された銃で天井に向け数発発砲し、議事堂は大混乱となり子供たちは逃げ出し大統領SPによりジェリーは撃たれ倒れるが、爆破を防ぎ大勢の命を救ったのであった。

数日後ジェリーはイーサン、モーガンと共に表彰されたが、これだけの騒動があったにも関わらずアリアの存在は公にならずひっそりとアリア・プロジェクトは解体された。そして、サムの誕生日にプレゼントを持ってレイチェルの元を訪れるジェリー。

という場面で映画は終わります……

ちなみにジェリーの父親は「ミスト」のジム、途中から宗教女の信者になって最後は「子供をよこせ!!生贄だ」と言っていたあのジムです(笑)ウィリアム・サドラーという役者さんだそうです。本作では全くと言っていいほど出番はありませんが、インパクトありますよね。レイチェル役のミシェル・モナハンは「ミッション・インポッシブル」シリーズでトム・クルーズの妻・ジュリアで知っている人も多いはず。モーガン捜査官はビリー・ボブ・ソントンという方、「アルマゲドン」ではNASAから指令を出していたトゥルーマンです、懐かしい……

謎の女から電話で指示があってのサスペンスはついこの間の「トレイン・ミッション」と同じ設定でした(笑)途中で「この前見たような…」と思ったのはリーアム・ニーソンでした。あちらは電車脱線でしたが、こちらはトンネルに無人偵察機が突っ込んで来る場面などかなり無理ある内容に「は?」でしたし、どれだけ遠隔でアリアが補助してくれても相手がFBIなら一発「パンッ!!」って撃たれたらお終いなので無理があるのは多めに見た方が楽しめます。

というか音声認証を解除したいのでジェリーを使いたいのはわかる……でもレイチェルいらなくないか(笑)アリアがレイチェルを使ったのは①息子がどうなってもいいのかジェリーを殺せ、②例の宝石ネックレスを付けさせる、ですよね。あれだけ何でも捜査して誰でも殺せるんだからジェリー殺害はアリアがやればいいし、宝石も議会にいる普通の参加者の誰かでもいいはず。

こうやってストーリーを全部書くと疲れますが、物語の整理になっていいかもしれませんね。ダラ~と見る映画でもいいですが、集中して“全て拾う”くらいの意気込みで「イーグル・アイ」楽しませてもらいました。

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