2021年10月の読んだ・見た雑記 その2

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「バイオハザード2 アポカリプス」(2004年)

前作は地下研究所での戦いでしたが、今回は「T-ウイルス」の開発者であるアシュフォード博士の娘“アンジェラ”を救出する地上でのサバイバルです。前作のヒットで制作費がもらえたということでしょうか、登場人物やラクーンシティの荒れ具合も豪華です。さらに原作の人気キャラクター“ジル・バレンタイン”の登場も話題になり、ゲームの方はプレイしたことなく…プレイ動画でしか見たことないですが、かなりの再現度です。しかし作中では見せ場も少なくそこまで活躍しません(笑)あくまでも主人公は“アリス”なのですが、前作のラストで捕まってしまい、T-ウイルス実験台になり“ネメシス”になってしまった“マット”とは異なり、クリーチャーになることなく理性を保ち純粋にパワーアップしたのでした、都合よく… そのデータ採集のためにネメシスと戦わされたり捕まったりするわけですが、ラストはラクーンシティの核爆弾が撃ち込まれヘリで逃げていたアリス達も墜落、現場からはアリスの死体だけが見つかり、アンブレラ社の研究施設で蘇生され逃げ出したところをジル達に保護される… ジルやカルロスはなぜ助かった?なぜアリスを置いてった?迎えに来たジル達なぜ偉そう?などよくわかりませんが次回作で明かされるのかな?「アリス計画」というのも次回以降なのでしょう。
アリスはカメラを睨むだけで映像を見ている相手を殺す能力も身に付けたようであり、謎の“純粋パワーアップ”はストーリー上必要なのでしょうが、「ワン〇ース」のようにどんどん世界観は壊れていきます。ゲームの方では主人公は“人間”であり超能力はありません。実写化は常に物議を醸しますが、映画ではネメシスがマットであったりドラマ性も含まれていてゲームとの差別化として考えればアリです。

また“都合”と言えばアンジェラを探しに「ジル・テリ・LJ」3人で学校に来ましたが、ジルは「手分けして探しましょう」と言い、テリは「嫌よ」と断りますが、結局別れてアンジェラを探します。これは“水ダウ”で言われていた、まとまって動くと場面が少なくなるし、1人ずつ殺されないといけない「ホラー映画製作者の都合でガチガチ説」でした。

小路幸也「すべての神様の10月」

死神・貧乏神・疫病神・道祖神・九十九神・福の神が出てくる6つの短編集ですが、ストーリーは独立しているようで細かな設定は統一されています。作風はどれも人間味あふれる神様が登場し、かわいらしく描かれています。人の死の場面にしか現われない死神は「生命の誕生」を見たいと望み、貧乏神は試練から立ち直る人間たちの強さを見てきた。疫病神は“病”を持って規則正しい生活が生む免疫力をもたらし、道祖神は迷える人を交通誘導員として導く。九十九神は“釜”として常に人に寄り添い、福の神は自分で責任を被ってしまう性格でみんなを少し幸せにする。こういったたくさんの神様に囲まれて人間は見守られながら毎日がんばっているんだな、と感じる1冊でした。神様は死ぬこともなく自分の役割も決まっていて「人間は何にでもなれる」「這い上がる力を持っている」と長い間見てきた人間の力を羨ましく思っているようでしたし、またいくつかの神様は人間界で人間の形をして役割を果たしていて、人間と神様の境界も無いように描かれ、意外とわれわれの身近に神様はいるのかもしれません。

「オブリビオン」(2013年)

トム・クルーズ主演のSF大作、2077年エイリアン・スカヴの侵略を核兵器で守った荒れ果てた地球が舞台です。生き残った人類は宇宙ステーション・管制塔テットに移り、いずれは土星の衛星タイタンへ移住の予定で、ジャックヴィカは海水を核エネルギーに変えるポンプの管理、スカヴからの護衛を担当する“地球最後の2人”として任務に当たっているのでした。映像も荒れ果てた何もない砂漠・荒野の世界がメインで“ス〇ーウォーズ7,8,9”の様にごちゃごちゃしてなくて美しさを楽しめるものになっています。

実際にはスカヴが生き残った人類で、テットが敵、ジャックとヴィカはテットが作り出した大量のクローンの1組であり、地球を侵略した殺戮マシーンがジャックでした。という“猿の〇星”的な展開でしたが、それで終わりではなくジャック49号が汚染地域に墜落しそこでジャック52号に出会う場面から後半が始まります。マルコム(モーガン・フリーマン)の「真実を知りたければ、汚染地区へ行ってみろ」からもわかるように“汚染地区”とはジャック同士が合わないようにテットが設定したものだったのです。

結末はジャックが妻・ジュリアと一緒にテットに爆弾を持ち込んで内部からドカーン!と見せかけて連れてきたのはジュリアではなくマルコム、愛するジュリアは地球に残して自分が犠牲になるのですが、テットに侵入する際に「ジュリアを助けたい」と回答し“嘘ではない”と判定されたのもこのためです。(あれだけすごそうなテットなのにスリープ装置の中身が「美女かおじさんか」は判定できないのには笑った)

3年後ジュリアには女の子が生まれ、人類の生き残り達と一緒にジャック52号が現れて微笑む場面で映画は終わります… このエンディングやはり「よかったな~」と「お前偽ジャックじゃん!」で評価は分かれるようです。元のオリジナル・ジャックの記憶が全ジャックに残っているならジャック52号側としてはいいのですが、ジュリアの気持ちは複雑かも… それと聞き逃した?のかもしれませんが、他のジャックはもう居ないのか?が気になります。みんなジュリアの夫ということになり、次々にジャック28号・56号とか出てきたら大変です。オブリビオンの意味は“忘却”、テットが破壊された時点で“真実”に気付いていないジャックは機能停止したとか?49号・52号だけ特別?ならアリかもしれませんが。(ジャック52号はジュリアを見かけたくらいでしたが、そこで記憶が蘇ったとか)

またテットとは何者なのか?も作中で描かれませんでした。人間が作ったものが暴走したターミネー〇ー的なものか、海水が欲しい異星人が地球侵略のために送り込んできた物体なのか。60年前にジャック・ジュリア・ヴィカ達の探査チームがテットに接近した場面では普通に交信していたようでした。描かれていない部分の考察も盛り上がりますが、映像・ストーリー共にSFたっぷりの世界観を楽しめる作品でした。

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