「ドント・ブリーズ」(2016年)盲目なら聖人なのか?

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娘を事故で無くし示談金を持つ盲目の老人宅に強盗に入る3人組の話、楽勝だと思われた犯行だが、実は老人は退役軍人で異常な聴覚の持ち主でめちゃくちゃ強い…「3人は生きて屋敷を脱出することができるのか」といういつの間にか悪者が逆転するサスペンスです。強盗が可哀想になりますが「ホームアローン」のような可愛いものではなく、BGMなども少なく「パニックルーム」のような終始“音を立てたら殺される”とてつもない緊張感で、当時映画館で見た人は、せきもくしゃみも出来ない状況だったでしょう。しかしこの映画はただ老人が強盗から家を守るため闘うヒーロー・被害者ではなくこの老人も娘の事故の加害者シンディを地下室に監禁して…という夜に生前の娘のホームビデオを流しながら寝てしまうくらいですから溺愛していたのだと思われますが、気味悪すぎる犯罪者です。

最後は大金を手にしたロッキーが妹とカリフォルニアへ向かう駅で「老人は命に別条無し、強盗は2人組、盗られたものはない」という今朝の強盗のニュースを見る、妹の手を引き2人で歩いていく姿を見る誰かの頭が映った?瞬間に映画は終わります。あれだけ殴られてあの高さから地下室に落ちても老人は生きてたんですね。ただ警察が踏み入れても地下室の存在が明らかになることがなかったというのはおかしいかなと……2人死亡で住人も重症、金持ちの娘シンディも捜索願いが出されているはずなので、事故の加害者が行方不明でその被害者遺族の家で強盗死亡事件ですからね……これなら家も調べるはずでは?

地下室まで行かなくても老人アレックスマネーの3人以外の“ロッキーの血液や髪の毛”も採取されるはずです。あと“昨晩の強盗のニュース”を見ているロッキーの顔の怪我がキレイに治り過ぎ…少し痣がありますが数時間であんなには治らないはず。脚も踏みつけられて折れたか相当な怪我のはずなのに犬から走って逃げていたりと不可解な点はいくつかあります。あとは“嗅覚”でしょうか?視力を失うと他の感覚が研ぎ澄まされる、と聞いたことがありますよね。クローゼットにロッキーが隠れているそのすぐそばで壁の中の隠し金庫をチェックしているので聴力に全振りみたいなことか?そのために嗅覚の優れた犬を飼っていたとも考えられますし。

「2人組だった」と老人が証言したのは「お前のことは見逃してやる、金はやるから今回のことは黙ってろ」のほかに「警察には渡さん、探し出して俺の手で始末してやるからな」にも取れるのではないでしょうか…続編「ドント・ブリーズ2」も2021年8月に公開になったそうです……どんな内容かはあえて調べていませんが、夜中静かな環境でスマホを近くに置かずに見たいですね。続編も楽しみですが、この老人エンドロールでは“Blind Man”という表記でこれもなかなか不気味かつ魅力的なキャラクターですよね、“2”が流行ったらエピソード0的な物語も…可能性ありますね。「メメント」だったりこういった低予算ならではの“発想の勝利”系の映画はどんどん見てみたい。

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